ベンガル語とは
ベンガル語が話されている地域
ベンガル語は主に、
で話されています。コルカタとバングラデシュでは、発音やスタイルに若干に違いがあります。
バングラデシュの公用語ですが、「バングラデシュ語」とは言わず、「ベンガル語」と言います。
単語 | শব্দ |
---|---|
バングラデシュ | বাংলাদেশ |
インド | ভারত, India |
ベンガル語の言語人口
ベンガル語の母語話者数は 約2.2億人、世界で7番目に母語話者数の多い言語です。
順位 | 言語 | 母語話者数 |
---|---|---|
1 | 中国語 | 13.7 億人 |
2 | 英語 | 5.3 億人 |
3 | ヒンディー語 | 4.9 億人 |
4 | スペイン語 | 4.2 億人 |
5 | アラビア語 | 2.3 億人 |
6 | ベンガル語 | 2.2 億人 |
7 | ポルトガル語 | 2.1 億人 |
8 | ロシア語 | 1.8 億人 |
9 | 日本語 | 1.3 億人 |
10 | ドイツ語 | 1.3 億人 |
主に、バングラデシュの人口が多い(約 1.7億人) ためですね。
ベンガル文字
ベンガル文字は、アルファベットとは違う、全く馴染みのない文字のため、とっつきにくく感じることでしょう。 インド系の文字(ヒンディー語・ベンガル語・ネパール語 etc.)は、慣れるまではミミズにしか見えないかもしれません。 しかし、読み慣れれば自然と読めるようになります。 それでも、ネイティブの走り書きを解読するのは、大変ですが。
文字は、
- 母音
- 子音
- 子音と母音の簡略体の合成
- 2つ以上の子音の合成文字
を用います。
ベンガル語文法の特徴
文構造は日本語とよく似ています。 実際に話すときは主語・述語・目的語等を自由に並べ替えることができ、柔軟な話し方ができる言語です。
非常に構成的で、文法上の例外が少ない、外国人にとって学びやすい言語といえます。
ベンガル語の歴史
元はインドだった
現在のインド・パキスタン・バングラデシュは、元はイギリスの植民地インドでした。
宗教で独立
1947年、イギリスが植民地インドから去る際、インドは宗教を基にインド(ヒンドゥー教)とパキスタン(イスラム教)に分けられました。 これにより、パキスタンは西パキスタン(現パキスタン)と東パキスタン(現バングラデシュ)の、インドを挟んだ飛び地となりました。 西パキスタンではウルドゥー語、東パキスタンではベンガル語が話されていました。
言語で独立
当時のパキスタンの首都は西パキスタン(現在のパキスタン)にあり、パキスタン政府はウルドゥー語を唯一の公用語にしようとしました。 そのため、東パキスタンのベンガル語話者の反発(ベンガル語運動)が起きました。 ついに1952年2月21日、ダッカ(後のバングラデシュの首都)で、ベンガル語を公用語とすることを求める活動家・学生とパキスタン軍が武力衝突し、学生たちが犠牲となりました。
母語を守ろうとしたこの精神を記念して、2月21日は国際母語デー(International Mother Language day)と定められています。 バングラデシュでは2月21日(একুশ ফেব্রুয়ারি)は祝日となっています。
その後も、東パキスタンと西パキスタンの対立は深まり、1971年に東パキスタンはバングラデシュとして独立しました。
それで、バングラデシュは四半世紀の間に2度の独立を経験したことになります。 ベンガル語を守る精神、母語に対する誇りは、ベンガル人の大きな国民性と言えます。