ベンガル語学習にカタカナを使わないほうが良い理由
ベンガル文字は、取っ付きにくいものです。 ベンガル語を最初からスラスラ読める人なんていません。 それで、読み方(発音)を書くことになると思います。 その際、日本人はカタカナで発音を書きがちです。
しかし、私はカタカナで発音を書くことをおすすめしません。 理由は1つです。
ベンガル語の発音には、カタカナでは表現できないものがあるから
ベンガル語にかぎらず、どの外国語でもそうですが、言語ごとに特有の発音体系があります。 それゆえ、ベンガル語では、カタカナでは表現しきれない発音があります。
また、カタカナでは区別しきれない発音の違いもあります。 つまり、ベンガル語では異なる発音、ネイティブが聞くと全く異なる発音が、カタカナで書くと同じ発音になってしまう事があるのです。
カタカナでは表現できない発音: 子音のみの発音
日本語では、「ん」を除くすべての文字が「あ」「い」「う」「え」「お」のいずれかの母音を伴って発音されます。 それでカタカナでは、子音のみの発音が表記できません。
発音をカタカナで表現 | 発音をアルファベットで表現 | 意味 |
---|---|---|
アプニ キー コッツェン আপনি কী করছেন? |
apni ki korchen? আপনি কী করছেন| |
お元気ですか? |
আপনি という単語ですが、প が子音のみの発音です。 つまり発音は「ア・プ・ニ」「a pu ni」ではなく、「ア・pni」「a pni」です。 これを「アプニ」と書いてしまうと、ネイティブの発音とは異なる、日本人のベンガル語発音になってしまいます。 しかし、「apni」と表現するなら、ネイティブの発音に近い発音を表すことができます。
同様に、 করছেন という単語も、র が子音のみの発音です。 つまり発音は「コッツェン」や「コルツェン」ではなく、「コrツェン」「korchen」です。
カタカナでは区別できない発音: র と ল, ক と খ などの発音の違い
よく日本人は英語の L と R が区別できない、と言われます。 日本語では LO も RO も「ロ」の発音で、区別しないです。
同じようにベンガル語にも、日本語では区別できない発音があります。 例を挙げます。
発音をカタカナで表現 | 発音をアルファベットで表現 | 意味 |
---|---|---|
コラ アツェ কলা আছে| |
kola ache কলা আছে| |
バナナがあります。 |
コラ アツェ করা আছে| |
kora ache করা আছে| |
既に行われています。 |
コラ アツェ খোলা আছে| |
khola ache খোলা আছে| |
開いています。 |
3つの異なる意味の文が、カタカナでは全て「コラ アツェ」になってしまいます。 なぜなら、日本語では ক (ko) と খ (kho), র (ro) と ল (lo) がベンガル語の発音どおりに区別されないからです。 ベンガル語では全く異なる発音が、カタカナでは同じ表記になってしまうのです。 これは、日本語が劣っているとか、ベンガル語や英語が優れているとか行った問題ではなく、言語ごとの発音体系が違うからです。
結論: アルファベットを使おう
既にお分かりにように、ベンガル語の発音を表現するのに、カタカナには限界があります。 それで、アルファベットを使う事をおすすめします。
もちろん、アルファベットにも限界があります。 例えば、アルファベットを用いると、ক (ko) と কো (ko) の違いを表現できません。 しかし、他の重要な発音を比較的正しく、少なくともカタカナよりは正しく表現できます。
それで、ベンガル語の読み方を書くのに、カタカナではなくアルファベットを用いることをおすすめします。